10年後の司法書士制度をマジで考える検討会が始まります

 静岡県司法書士会では、7月から、執行部がパネラーとなり、10年後の司法書士の姿を模索する討論会を会員に公開して行っていくことになりました。10年後の司法書士像を描くことにより、そこに向け、来年度から具体的な事業計画を構築していこうという取り組みです。

 これまでは、おそらくどこの司法書士会も同じであると推測しますが、定期的に執行部が交代し、事業内容も原則として前例を踏襲し、その時の状況により多少事業計画を修正しながら事業が行われているのではないでしょうか。つまり、10年、20年という長期的具体的な視野に立った取り組みは行われていないのではないでしょうか。

 しかし、例えば企業では、生き残っていくために中期計画、長期計画を立てて常に変化を模索しています。そうしなければ、変化の波に飲み込まれて淘汰されてしまうのです。

 時代は日増しに変化のスピードをあげています。ですから、司法書士会も長期的な展望のもとに、そこに到達するための具体的なステップを踏んでいく必要があると思います。

 この討論会に先立って、既に私は、「とんでもない」10年後の姿を私案として提出済みです。その私案の紹介はまたの機会に譲るとして、その前提の認識を具体的に書いてみました。その一部を紹介します。こうした問題に関心を持っていただきたいと思います。

私案の前提(一部)
「板橋で登記コンピュータ化のパイロットシステムがスタートしたのは昭和63年。当時、多くの司法書士が、「目の黒いうちに全国の不動産登記簿が電子化されることはないだろう」と考えていたのではないか。しかし、わずか20年後、全国の法務局でコンピュータ化が完了した。
 この作業と並行して、法務局の統廃合問題が持ち上がり、全国の司法書士が、「市民の法務拠点がなくなる」と反対運動をした。この運動の背景には、統廃合は、統廃合の対象となった法務局の近くで事務所を設けていた司法書士の死活問題であるという危機感もあったことは否めない。しかし、統廃合は、ほぼ予定どおり進められた。
 平成28年7月、突如、法務省は法定相続証明制度の創設を公表した。日司連はプライバシー問題を前面に出して反対した。この反対の背景には、法定相続情報証明は司法書士以外の士業も扱えるという設計になっていたことから、相続登記業務に他士業が参入する契機となるのではないかという危機感があったことは明らかだ。
 しかし、翌年5月には予定どおり制度がスタートした。
 こうした事実をみてくると、時代は確実に変わっていき、国が「やる」と言ったら余程の問題がない限り、国は「やる」。
 そして、今後。
 例えば、戸籍情報とマイナンバーを連携させるという。何が起こるか。コンビニでマイナンバーカードをかざせば法定相続情報証明が出てくるようになるかもしれない。
 住民基本台帳と登記情報が連携したらどうなるか。名変は不要になるかもしれない。固定資産台帳と登記情報が連動したらどうなるか。権利者義務者がスマホを使って電子認証し、登録免許税が自動計算され、自分で電子納付すれば本人が簡単に登記できる時代が来るかもしれない。会社設立にしても、自分でスマホから30秒でできてしまう時代も遠くないかもしれない。
 以上は一例であり、社会において専門職能の手を借りなければならないような「手続」自体が急速に、しかも確実に減少することは明らかである。確実に世の中は変わっていく。」

 興味のある方は、討論会に参加してください。ただし、静岡県司法書士会の会員であることが必要ですが。

 写真は、浜松市東区篠ケ瀬町にある「みさくぼ」というレストランのトマトベーコンハンバーグとトマトオニオンハンバーグ。昨日水窪に出かけたこととは関係ありません。

投稿者プロフィール

古橋 清二
古橋 清二
昭和33年10月生  てんびん座 血液型A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身(途中、上池自動車学校卒業)

昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー浜松ホトニクス(東京一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる
平成2年 古橋清二司法書士事務所開設
平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立
最近、農業にはまってい る (本人は「農業」と言っているが、一般的には「家庭菜園」と呼ばれている)。 耕運機まで所有するなど、道具は一人前だが野菜のできはイマイチ。 本人は、異常気象だとか、土が悪いとか、品種が悪いなどと言って、決して自分の腕が悪いことを認めようとしない。