「法定相続情報証明制度」が始まります

3 法定相続情報証明制度は、相続人等から提出された「法定相続情報一覧図」に対し、法務局の登記官が内容を確認して保管するとともに、認証文を付記して「法定相続情報一覧図の写し」(以下、「法定相続情報証明」と呼びます)を交付する制度です。
 法定相続情報証明は、不動産登記手続の他、相続預金の解約手続など、相続に関する様々な手続きに利用されることとなります。

 

 

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「再考 司法書士の訴訟実務」
加藤新太郎先生、木村達也先生、長谷山尚城先生とパネルディスカッション

17361072_1237341263008511_1424285235_n 3月18日、シンポジウム「最高裁判決 突きつけられた課題」(主催 日本司法書士会連合会)が行われ、中央大学大学院法務研究科の加藤新太郎先生、弁護士の木村達也先生、弁護士の長谷山尚城先生とともに、パネルディスカッションを行いました。

 こんなに有名な先生方とパネルディスカッションできるなんて夢のようでした。また、発言したいと考えていたことも概ねお話することができ、さらに、議論もしっかりかみ合っていたため、壇上で武者震いするようなパネルディスカッションでした。

この記念すべきパネルディスカッションにかける思いを予め書いたものを掲載しておきます。

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 なぜ「再考 司法書士の訴訟実務」が必要なのか。それは、平成28年6月27日に言い渡された所謂和歌山訴訟の最高裁判決に端を発する。

この最高裁判決は、司法書士法3条1項7号に定める裁判外の和解の代理業務の範囲について、債権者が主張している債権額を基準に考えるべきだと判示したものであり、「債権者主張額説に確定した」という捉え方が一般的であると思われる。
 しかし、双方が上告受理申し立てをしていた部分は広範に及んでいた。

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心配無用! 人生は依頼者が決めてくれる

無題

 明日、全国青年司法書士協議会 第48回全青司いばらき全国大会が開催されます。寄稿文を依頼されていましたのでここで紹介します。なお、参加される方には配付されると思われます。

 全国の青年司法書士のみなさん、こんにちは。『志動』をテーマとする全青司いばらき全国大会の開催にあたり、私の経験や考え方が少しでも参考になればと考え、寄稿させていただきます。

 私は平成2年登録ですので、26年以上司法書士をやっていることになります。司法書士はマネーライセンスだと思って開業しましたので、何かに正義感を持っていたとか特定の分野で活動したいなどという考えは全くありませんでした。

 そんな私がクレサラ問題にのめり込むようになったのは、開業直後に受任したいわゆる街金の担保抹消の依頼でした。担保抹消後、債務者の方が「まだ他にも借金があるんです」と相談に来たのでした。当時は、まだサラ金問題はほんの一部の弁護士が対応していたにすぎず、司法書士にいたっては全国で指折り数える程しか扱っていなかったと思います。開業したばかりの私は「サラ金問題」の存在すら知らず、どのように相談にのればいいのか全くわかりませんでした。

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東京司法書士会三多摩支会の研修会に行ってきます

11880655_843842789033457_3242061187955758915_n2月17日の夕方から約3時間、立川で行われる東京司法書士会三多摩支会の研修会に講師として呼ばれています。テーマは、「簡裁訴訟代理業務の実務と魅力」ですが、和歌山訴訟控訴審判決で問題となった本人訴訟のことも含め、たっぷりお話ししてきたいと思います。

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切符を拝見します

16730011_1205379106204727_142341491_n私は、西風に向かって自転車をこぎ続けた。今年一番の寒波が来ており、西日本は大雪になっているようだが、ここ浜松はほとんど雪は降らない。それでも、「遠州の空っ風」と言われているように強い西風が顔に突き刺さる。

ようやく浜松駅の駐輪場に着く。静岡での午後1時からの打合せに間に合わせるには12時20分の東海道新幹線こだまに遅れずに乗らなければならない。

時計を見ると、12時10分。よし、まだ10分ある。静岡までの回数券はいつも予め用意してあるので切符を買うために並ぶ必要はない。ホームで売られている値段の高い駅弁ではなく、コンコースのお店で500円ぐらいの弁当を買おう。

弁当を買い、改札を抜けてエスカレーターでホームに上がるとちょうど新幹線が東から滑り込んで来た。静岡駅で降りる時にホームのる階段の近くに停まる7号車に乗り込む。弁当を食べて一息つけば静岡だ。今日も分刻みの行動だ。

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2016年6月27日の日記より

gf1420124928新幹線のガード下から自転車を引きながら見上げると、街路灯の光を吸収して光る雨粒の群れが降り注いでいた。暗闇で見た印象よりも、雨は激しく降っている。最近は、天気予報がよく当たる。

朝、11時11分発のひかりで東京に向かう時は晴れていた。もう梅雨が明けたような暑さだった。東京で1時に待ち合わせ場所に集合し、出発までの時間、今日の最高裁判決の予想を安易に口にする者はいなかった。雰囲気としては、皆、6割方は勝訴を信じていた。しかし、3割ほどは敗訴もあり得ると考えていた。でも、それも安易に口にする者はいなかった。残り1割は、何かしらの新しい判断がなされるのではないかという気味の悪さを感じていた。

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真相は闇の中
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東京から東北新幹線に乗り込んだ。隣に座った女性がお弁当の蓋を開け、一瞬固まったと思ったら、残念そうに蓋をしめ、弁当を前に置いたまま、スマホをいじり始めた。さては、お箸が入っていなかったのではないか?

僕も弁当食べ終わったので、使います?って聞いてみようかな

 

 

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神様、本当にいたよ

af9920052035 ある眼科医から診療報酬未払金120万円を回収して欲しいと依頼され、代理人として訴訟を提起し、本日、その第1回口頭弁論期日が開かれた。相手方である被告も出頭した。

 被告は、「8回も手術をしてもらったので大変申し訳ないとは思っていますが、今では左目がほとんど見えなくなってしまい、思うように働けません。とても一度に払えるような金額ではありません」と裁判官に訴えかける。裁判官は、「原告は分割でも可能ですか」と私に聞いてくる。このように、裁判になっても話し合いで解決しようとすることは珍しいことではない。どうも、雰囲気的に、長期分割払いを提案してきそうだ。それでも、話だけでも聞いてみるかと考え、私は「はい、お話を聞いてみたいと思います」と答える。

 「では、司法委員の先生を交えて別室で話し合いをしてみてください」と裁判官。「司法委員」というのは、民間から選ばれ、裁判官を補助したりアドバイスしたりする役割を担っており、裁判官の指示により別室での話し合いの取りまとめも行う。

 「別室」というのは法廷ではなく普通の会議室のような部屋なので、法廷の凜とした雰囲気とは趣が異なる。

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和歌山訴訟控訴審判決を読め!

af9930029214 本年6月27日に言い渡された所謂和歌山訴訟の最高裁判決は、司法書士法3条1項7号に定める裁判外の和解の代理業務の範囲について、債権者が主張している債権額を基準に考えるべきだと判示した。
上記の判決は司法書士法3条1項7号の解釈についてのみ取り上げ、そのほかに双方が上告受理申立てをした部分については審理の対象にしなかった。そのため、上記の判決の異議としては「債権者主張額説に確定した」という捉え方が一般的であると思われる。

 しかし、双方が上告受理申し立てをしていた部分は広範に及んでいた。ところが、最高裁が「裁判外の和解の代理業務の範囲」のみを審理の対象としたことから、その余の部分は、最高裁が審理の対象としなかった時点で高裁判決が確定していることに注意しなければならない。

 そこで、高裁判決を読んでみると極めて興味深い判断がなされている。

 

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訴訟代理人は依頼者にストーリーを語らせよ -訴訟代理人の極意-

1.心地よい疲れ

 浜松と静岡の中間点より浜松寄りのこの裁判所から事務所までは車で40分ぐらいだが、夕刻に家路を急ぐ車で天龍川を渡る橋は渋滞し、1時間経ってもまだ浜松市内に入れない。それでも私は、自分の依頼者に対する尋問に加え、通訳を介して行ったフィリピン人、中国人に対する延4時間に亘る尋問のほとぼりが冷めず、ハンドルを握りながらニヤニヤしていたに違いない。
 それは、単に、尋問を終えた達成感ということではなく、裁判官に原告のストーリーを伝えることができたという満足感から出た笑みだった。
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2.やむなく受任

 実は、この事件は”やむなく”受任した事件であった。
 1年半程前、ある司法書士から「訴訟を受けてやってくれないか」という話があり、Xの相談を受けることになった。

 Xは40歳過ぎの女性であり、深夜勤務中に同僚の中国人の女性Yがフィリピン人の女性Aと携帯電話でわいせつな動画を見てふざけていたが、これをXも見るようにと強制してきたのでXは拒絶をした。しかし、Yが執拗にXに迫ったため揉み合いになった。そして、Xは、柔道の足払いのように投げ飛ばされ、そのあとYが馬乗りになってXの首を絞めてきた。

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苦難は必ず乗り越えられる

6月27日、最高裁で、司法書士には衝撃的な判決が言い渡された。私も傍聴に行き、「ここが最高裁の法廷か。どんな判決になるかはともかくとして、最高裁の法廷に来るのは最初で最後かもしれない。よ~く目に焼き付けておこう」と思いながら開廷を待った。

裁判長は、主文だけではなく、判決理由の要旨を簡単に紹介してくれた。それを聞いたときに、司法書士の主張の主要部分は認められなかったと瞬時にわかり、なぜか落ち着いている自分が不思議だった。

この判決に対してはいろいろな意見が飛び交っているようだ。また、過去に行った和解の効力等についても情報交換が始まっている。この判決が司法書士界に与える衝撃は、決して小さくなさそうだ。

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オレは人間国宝じゃないんだ

 昨日、「クレサラ問題で培ったノウハウは伝統芸能か?」というブログを書いたところ、さっそくメールがあり、入会3年以内ぐらいの若手司法書士諸君に伝統芸能を披露してくれないか、という話が舞い込んだ。「オレは人間国宝じゃないんだ」と冗談を飛ばしながらもちろん快諾したわけだが、その話を聞いた時に口から出たのは、自分でも意外だったが、「若い人は本当にやる気があるのか」という言葉だった。

gf1420249803 話しをするのはいくら話してもいいが、実際に取り組んでくれなければ何の意味もない。徒労に終わるだけだ。もちろん、今はクレサラ問題は沈静化しているが、破産や再生案件がなくなったわけではないし、月に数件は申し立てている。これらは、やはり、一定のノウハウが必要だが、それは、実際に自分で体験して初めてわかることが多いはずだ。だから、私は、「裁判実務は体で覚えろ」と若い人たちに言っているのだ。

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静岡県司法書士会、静岡市と『地方創生に関する協定』を締結。担当副会長として出席しました

『地方創生に関する協定』と聞いて、「何の問題だろう? 司法書士会は何をするの?」と疑問に思った方も多いと思います。
 今や、人口減少の時代に入っています。しかも、少子高齢化、後継者難など、社会が抱える問題は深刻なものばかりです。さらに、これらの問題解決に不可欠な創業希望者や移住希望者(「未来市民」というような言い方がされることもあります)を支援する仕組みも脆弱です。これら未来市民が抱えるであろう問題は次のとおり想像できます。
・会社設立や各種届出の手続がわからない
・事業を承継する手続(株式の売買等)がわからない

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覚悟

去る3月2日、静岡商工会議所静岡県事業引継ぎ支援センターを訪問した。同センターと静岡県司法書士会とが協力関係を築けないか、ということで、同センターの行っている事業についてお話を伺ってきた。

静岡県事業引継ぎ支援センターが行っている業務は、後継者がいない事業者と起業・創業を目指す人たちをマッチングして、事業承継させていくというものであり、静岡が全国に先駆けて行っている。静岡の取組みは、NHK全国版ニュースの特集やクローズアップ現代等にも取り上げられている。
 
連携の具体例としては、起業希望者・移住事業者をセンターに紹介していくことが考えられ、そうした接点から、後継者難で困っている事業者に対して司法書士が関わっていける可能性があると思われる。

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再会

 ある上場企業の会議室。本社を移転するための不動産の決済である。地権者である売主が多数集まり、会社側の関係者が部屋に来るのをいまかいまかと待ち受けている。それはそうだろう。今日は大きなお金が動く。土地の売買代金の最終金が地権者へ振り込まれるのだ。

 程なくしておそろいの制服を着た会社の担当者が時間どおりに入ってきた。私は、一人一人と名刺を交わし、あいさつをする。もちろん、事前に電話やメールで詳細な打合せをして今日の取引に臨んでいるが、ほとんどの担当者とは今日初めてお会いする。

 ただ、そのうち一人だけは、しばらく前からずっと気になっていた。そして、今日は、初めてその顔を見て確信した。やはり、あいつだ。

 私は、名刺交換をして、「Nさんですね。メールではいろいろとありがとうございました」とつきなみな挨拶をしたうえで、テストしてみた。

「N」

 Nさんを呼び捨てにしてみたのだ。

 Nさんは怪訝な顔をして私の顔をのぞき込んだ。でも、まだ気がつかないみたいだ。

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50歳になったら相続学校。相続知識検定マスター取得講座 「遺言書を作るための基礎知識」
合同会社クリエイト・ジャパン事務所が主催する相続学校浜松校で、相続知識検定マスター取得講座「遺言書を作るための基礎知識」をお話しさせていただきました。

このような検定制度の意義を、浜松校の小桐正彦校長は次のようにお話しされています。

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金融機関職員対象の「遺言書の基礎知識」(4時間コース)の研修を実施

平成27年9月12日(土)、浜松市内の某信用金庫本部において、 女性職員対象の「遺言書の基礎知識」(4時間コース)の研修を実施させていただきました。
 まず最初に、講義の前に、説例にしたがってそれぞれ自筆証書遺言を作成してもらいました。これは、遺言の専門知識を持つ前に遺言書を作成しておき、講義後に専門知識を持ったらどんなことをアドバイスできるかを考えてもらうためです。

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293人の奇跡

(これは、代議員として日本司法書士会連合会の定時総会に参加した際の手記であり、静岡県司法書士会本会通信の平成27年7月号の原稿です)
 6月25日と26日の2日間、渋谷ヒカリエのホールは不思議な空間と化した。全国の司法書士会の会長と代議員の総勢293人が参集したのである。これらは組織員と呼ばれ、日本司法書士会連合会第78回定時総会の議決権を有している。全国の組織員は総勢294人であり、そのうち1人が委任状を提出したため、実際に参集したのは293人というわけだ。
 「不思議な空間」を感じたのは今月に入って二回目である。一回目は、3週間前に箱根で行われた関東ブロックの定時総会である。

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時代に翻弄される人たち

(これは、平成27年6月29日に開催された静岡県司法書士会は浜松支部の人権委員会で当事務所代表の古橋清二が発表したものを文字おこししたものです)

 Ⅰ はじめに

 今日は、発表の機会をいただき、ありがとうございます。
 判例解説ということですので、平成26年7月18日、最高裁で永住外国人の生活保護受給権に関する判決がありましたので、それを紹介したいと思います。
 ただ、この判決の意義を考えていくためには、外国人の方々が、どのような在留資格で日本に暮らしているのかということを理解する必要があると思います。
 そこで、本日の発表としましては、まずはじめに、浜松でたくさん暮らしている日系ブラジル人と、在日朝鮮人の方々が、日本に定住している経緯について理解したいと思います。実は、発表の大部分はこの部分になります。
 そのうえで、先ほどの最高裁判決をご紹介し、最後に私の思うところを述べてみたいと思います。

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浜松市内の某信用金庫本店会議室において、「戸籍の読み方」(4時間コース)の研修を実施
 平成27年6月27日(土)、浜松市内の某信用金庫本店会議室において、「戸籍の読み方」(4時間コース)の研修を実施しました。
 この研修は、NPO法人相続研究所(浜松市西区入野町16102-10 代表 小桐正彦氏)が信用金庫から相続関係のシリーズとして受託して実施している研修の1コマで、当事務所代表の古橋清二が講師として研修を行ってきました。

 前半の2時間は、研修は、そもそも「戸籍とは何か」、つまり、戸籍とは日本国民一人ひとりの親族的身分関係(主なもの:出生、死亡、親子関係、養親子関係、婚姻、離婚、親権者、未成年後見人等)を登録し、かつ、それを証明するものであること、戸籍は原則として一組の夫婦およびその夫婦と氏(苗字)を同じくする子供ごとに編製されていることなどの話から始め、旧戸籍法(明治31年~昭和22年)との違いなども詳しく説明しました。
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杉山陽一を男にする(静岡県司法書士会副会長就任挨拶)
 タイトルを見て、杉山陽一新会長は女だったのかと思う方はいないと思うが、副会長就任にあたって私の頭をよぎったのは「杉山陽一を男にする」、この言葉だ。
 私にとって杉山陽一さんは、年齢も業務経験も先輩である。私が開業した当時は今のような配属研修はなく、若干の研修を受けた後に即独立というのが普通だった。そのため、ほとんど実務を知らないまま依頼に応じることになったのだが、当時、実務的なことでわからないことがあると、遠慮もなく何人かの先輩に電話を架けて教えを乞うたものだ。
 その中の一人が杉山陽一さんだったわけだ。
 おそらく、新米司法書士の実務的な不明点などというものは、当時、開業7~8年目の杉山さんにとっては目を閉じていても答えられるようなものだったろう。しかし、杉山さんは、労を惜しむことなく、いつも誠実に疑問に応えてくれた。だから、杉山さんには本当に感謝している。
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