オレは人間国宝じゃないんだ

 昨日、「クレサラ問題で培ったノウハウは伝統芸能か?」というブログを書いたところ、さっそくメールがあり、入会3年以内ぐらいの若手司法書士諸君に伝統芸能を披露してくれないか、という話が舞い込んだ。「オレは人間国宝じゃないんだ」と冗談を飛ばしながらもちろん快諾したわけだが、その話を聞いた時に口から出たのは、自分でも意外だったが、「若い人は本当にやる気があるのか」という言葉だった。

gf1420249803 話しをするのはいくら話してもいいが、実際に取り組んでくれなければ何の意味もない。徒労に終わるだけだ。もちろん、今はクレサラ問題は沈静化しているが、破産や再生案件がなくなったわけではないし、月に数件は申し立てている。これらは、やはり、一定のノウハウが必要だが、それは、実際に自分で体験して初めてわかることが多いはずだ。だから、私は、「裁判実務は体で覚えろ」と若い人たちに言っているのだ。

 話をするのは7月ということなのでまだ時間はあるが、さて、2時間でどんな話をしたものか。細かい手続的な話をしてもおそらく身につかないので、25年前にどういうきっかけでクレサラ問題に出会ったのか、そして、ほとんどの司法書士がクレサラ問題に取り組んでいない中で自分は何をしてきたのか、四面楚歌の状態でやっているうちに多くの人といろいろな形で関わりを持ち、商工ローン、ヤミ金融といった特殊な債権者への方法論を編み出し、民事再生の立案担当参事官ともある約束をし、金利引下の法改正にまでたどり着いた軌跡を話してみようと思う。そこで何かを感じ取ってもらえばありがたい。

 さて、そんなことを考えながら仕事をしていたと言っては依頼者の方に申し訳ないが、先週受任した仮差押申立書が完成したので裁判所に提出した。被保全権利は未払賃金請求権だ。よくもまあ、4か月も無償で働いたものだ。介護サービス業務を行っている会社に勤務していたため、何を仮差押するかは問題ない(わかる人はわかるよね。何を差押さえるのが効果的かということ)。今は、各種目録の記載方法を集めた書籍が出ているので非常に便利だ(これも、実務をやっている人なら何を言っているのかわかるよね)。

 そこで、勇んで裁判所に持ち込んだわけだか、民事の受付で「今日は転勤で新しい裁判官が着任するから、書類は見ることができないと思いますよ」だって。なんだかなあ。早く保証金の額を教えてくれ~。