gf1420409598杉山陽一を男にする

 タイトルを見て、杉山陽一新会長は女だったのかと思う方はいないと思うが、副会長就任にあたって私の頭をよぎったのは「杉山陽一を男にする」、この言葉だ。
 私にとって杉山陽一さんは、年齢も業務経験も先輩である。私が開業した当時は今のような配属研修はなく、若干の研修を受けた後に即独立というのが普通だった。そのため、ほとんど実務を知らないまま依頼に応じることになったのだが、当時、実務的なことでわからないことがあると、遠慮もなく何人かの先輩に電話を架けて教えを乞うたものだ。
 その中の一人が杉山陽一さんだったわけだ。

 おそらく、新米司法書士の実務的な不明点などというものは、当時、開業7~8年目の杉山さんにとっては目を閉じていても答えられるようなものだったろう。しかし、杉山さんは、労を惜しむことなく、いつも誠実に疑問に応えてくれた。だから、杉山さんには本当に感謝している。
 その後、私は幸運なことに、全青司全国大会の分科会を任されたことをきっかけとして様々な活動や研究会に関与することになり、特に多重債務問題では全国的にもかなり目立つ立場で指導者的役割を担わせていただくことになった。

 その一方で、杉山さんは、あまり先頭に立って活動するような派手な振る舞いはなかったが、確実に様々な活動の下支えをしてくれていた。もう20年程前だろうか、任意の司法書士で、「サラ金相談センター」として県内主要都市に相談電話を設置しようということになり、浜松は杉山さんの事務所に電話を置くことになった。何かの用事で杉山さんの事務所に立ち寄ったとき、ちょうど「サラ金相談センター」の電話が鳴り、ひとつひとつの相談に丁寧に対応している杉山さんを見て、とても私には真似ができないと思ったものだ。
 こうして、長い間私たち司法書士会の基盤を支え続けていただいた杉山さんが会長に出ることになり、私はようやく「杉山陽一を男にする」チャンスに恵まれることになったのだ。

 もちろん、杉山さんの実績からして既に「男」であることは明々白々ではある。しかし、現状にとどまらず、静岡県会を代表し、杉山さんが全国のオピニオンリーダーとして活躍することを後押ししていきたいと思う。

 さて、私は、杉山会長のもと、副会長として企画広報部門を担当させていただくことになりそうである。企画広報部門では、関連団体との連携の強化、広報活動など幅広い活動が予定されているが、私としては、特に、新設する業務研究委員会内の研究グループを確実に育てていきたい。
「研究グループ」というと、何か学究的なイメージを持たれるかもしれないが、私がイメージしているのはそうではない。研究テーマにもよるが、最長2年間(研究テーマにより期間を設定する)で、最終的には研究成果を実務に落とし込み、会員が利用できるところまで持って行く。そのために、まず、テーマ毎に研究計画を作成してもらう。つまり、海図を作成するわけだ。

 業務研究委員会ではその海図にしたがって進捗管理をする。途中で研究発表会をやってみてもいいだろう。そうすることにより、杉山会長が目指している「会員の会務への積極的な参加」を実現することができる。
 今考えているテーマは、「相続関連支援」、「株主対策支援」、「債権回収支援」、「傷害事件における損害賠償」、「死後事務の理論と実践」、「民事信託の実践」、「ブラジル人の法的支援」など多岐に亘る。
 そして、それらの研究成果は、どういう形になるかは今のところわからないが、必ずや、最先端の情報として全国に発信されるだけでなく、実務の羅針盤として一定の方向性を示すことになろう。

 そのとき、僕たちは杉山会長を担ぎ上げる。そして、「男」にするのだ。
(静岡県司法書士会本会通信平成27年6月号より)