12802971_796382393801483_3785834222461647702_n 去る3月2日、静岡商工会議所静岡県事業引継ぎ支援センターを訪問した。同センターと静岡県司法書士会とが協力関係を築けないか、ということで、同センターの行っている事業についてお話を伺ってきた。

 静岡県事業引継ぎ支援センターが行っている業務は、後継者がいない事業者と起業・創業を目指す人たちをマッチングして、事業承継させていくというものであり、静岡が全国に先駆けて行っている。静岡の取組みは、NHK全国版ニュースの特集やクローズアップ現代等にも取り上げられている。
 
 連携の具体例としては、起業希望者・移住事業者をセンターに紹介していくことが考えられ、そうした接点から、後継者難で困っている事業者に対して司法書士が関わっていける可能性があると思われる。

 実例について少しだけお話を聞いたが、一言で「マッチング」と言っても、そう簡単なことではなさそうだ。伝統、型を重んじる高齢の事業者と、新しい感覚を持った合理的な起業希望者とは、言ってみれば水と油だ。担当者はその間に入って金銭的なことはもちろん、一人の人間として、ドロドロの調整をする。しかも、それは数年というスパンで行われる。

 このように、人間として寄り添っていくことからこそ、お互いの信頼関係が構築されて事業が継承されていくというのである。
そこに、司法書士がどうかかわっていくか。そこに必要なものは、法律知識でも経営センスでもないような気がする。

 それは、そこに足を踏み入れる「覚悟」ではなかろうか。

 今は下火となった多重債務問題に司法書士がかかわる意義は、究極的には生活再建、人間性の回復である。そこで多重債務者に寄り添って生活再建に繋げるんだという「覚悟」が必要だった。

 最近で言うなら成年後見業務である。ひとたび後見人に就任すれば、自分が病気で業務ができなくなるような事情がなければ後見人を退任できない。だから、強制的ではあるが「寄り添う」こが必要である。それなりの「覚悟」が必要なわけである。

「最近の若者は・・・」と言うと年寄りの戯言に聞こえるかもしれないが、司法書士の世界では「覚悟」という言葉が死語になっているような気がする。若者に「〇〇をやろうじゃないか」と言っても、顔を見合わせ、ニヤニヤして結論が出ない。いつの間にか話はウヤムヤになることが多い。

 しかし、人のことはともかく、人から見れば自分自身もそう見られているかもしれない。

「覚悟はあるのか」

 常に自分に問いかけながら生きていきたい。