賃貸借契約中に修繕が必要となつた場合、誰が修繕費を負担しなければなりませんか

を負わないということです。

 これまでは、この点について明確な規定はありませんでしたが、民法改正により規定が設けられました。

 したがって、賃貸人の立場から言えば、修繕が必要となった場合には、どうして修繕が必要となったのか、その事情を賃借人から説明してもらうことが必要となります。そして、それが専ら賃借人の責任によるものであれば、賃貸人は修繕義務を負わないということになります。

 そして、現実的な対応としては、修繕の負担について修繕をする前に充分協議したうえで勧めていくことが必要であると考えられます。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
当事務所では、2020年4月1日から施行される改正民法(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)について、契約実務の観点からFAQを順次作成しております。

ここをクリックしていただくとご覧いただけますのでご活用ください。

賃貸借契約継続中に、賃借人から敷金を滞納家賃に充当するように請求することはできますか

 できません。賃借人は、賃貸借契約にもとづいて賃料を支払う義務があります。賃借人から敷金を滞納家賃に充当するように請求することはできません。

 逆に、賃貸借契約継続中に、賃貸人から、敷金を滞納家賃に充当することはできます。その場合には、賃借人に対して充当した金額を敷金として再度預けるように請求することができます。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
当事務所では、2020年4月1日から施行される改正民法(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)について、契約実務の観点からFAQを順次作成しております。

ここをクリックしていただくとご覧いただけますのでご活用ください。

民法改正後、敷金の返還時期を、「賃貸物の返還を受けたとき」ではなく、「賃貸物の返還を受けた後1ケ月後」とか、「敷金の半額を控除して返還する」などと定めることは可能でしょうか

 改正民法では、敷金は「賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき」には、「その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない」と規定していますが、当事者間でこれと異なる契約をすること自体を禁止しているわけではありません。したがって、ご質問のような契約も原則として可能と考えられます。

 しかしながら、賃借人が消費者である個人の場合には、消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する条項で消費者の利益を一方的に害するような契約は、消費者契約法によって無効となる可能性がありますので注意が必要です。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
当事務所では、2020年4月1日から施行される改正民法(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)について、契約実務の観点からFAQを順次作成しております。

ここをクリックしていただくとご覧いただけますのでご活用ください。

民法改正により、敷金について定められたことはありますか

 実は、敷金については、これまではっきりとした規定は民法にありませんでした。そこで、今回の民法改正で、初めて次のような規定が設けられました。

民法622条の2第1項
「賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。
 1 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。
 2 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。」

 もっとも、この規定は、これまで敷金について一般的に理解されていた内容と異なるものではありませんので、実務的な影響は少ないものと考えられます。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
当事務所では、2020年4月1日から施行される改正民法(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)について、契約実務の観点からFAQを順次作成しております。

ここをクリックしていただくとご覧いただけますのでご活用ください。

民法改正前に賃貸借契約が締結され、同時に保証契約も締結されました。そして、民法改正後に賃貸借契約が法定更新されました。保証契約については何ら合意はありません。この場合、法定更新後は保証契約が継続しているのでしょうか。また、存続しているとしたら、新法、旧法のどちらが適用されるのでしょうか。

 まず、前段のご質問については、原則として、更新後の賃借人の債務についても保証人の責任が生じるとするのが判例です(最判平成9年11月13日)。後段については未だ明確ではなく、今後の実務の趨勢を見ながら検討する必要がありますが、もしも、新法が適用されるとすると、極度額を定めて合意をしておく必要があり、何ら合意をしていない場合には、極度額の定めがないことを理由に無効となる可能性があります。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
当事務所では、2020年4月1日から施行される改正民法(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)について、契約実務の観点からFAQを順次作成しております。

ここをクリックしていただくとご覧いただけますのでご活用ください。

民法改正後、賃貸人が保証人から家賃滞納状況等を尋ねられた場合に答えなかったら、なにか問題になるのでしょうか

 保証人は賃借人が正常に家賃を支払っているかどうか、重大な利害関係があります。そこで、改正民法は、保証人から請求があれば、賃貸人は、遅滞なく家賃の履行状況や滞納金額等を伝えなければならないと定めました。もしも、保証人から家賃支払状況等について尋ねられても賃借人が回答しなかったり、虚偽の回答をしたことにより保証人に損害が発生した場合には、損害賠償請求を受ける可能性があります。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
当事務所では、2020年4月1日から施行される改正民法(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)について、契約実務の観点からFAQを順次作成しております。

ここをクリックしていただくとご覧いただけますのでご活用ください。

賃貸人が保証人から家賃滞納状況等を尋ねられたら答えてもいいのでしょうか。個人情報保護との関係で問題ないでしょうか

 保証人から家賃滞納状況等を尋ねられたら、答えるのが当然であると考えます。しかし、賃借人の家賃滞納状況等は個人情報に該当するため、賃借人の同意を要するという考え方もあったようです。この点につき、改正民法は、保証人から請求があれば、賃貸人は、遅滞なく家賃の履行状況や滞納金額等を伝えなければならないと定めましたので、回答することについて明確な根拠となります。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
当事務所では、2020年4月1日から施行される改正民法(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)について、契約実務の観点からFAQを順次作成しております。

ここをクリックしていただくとご覧いただけますのでご活用ください。

民法改正により、賃借人が事業のために賃借する場合には、賃借人は保証人になろうとする個人に対し、賃借人の財産状況を説明しなければならないこととなりましたが、具体的に、どんなことを説明したらいいのでしょうか

 この場合に説明すべきことは、賃借人の財産や収入、賃借する不動産の家賃等以外に債務があれば、その額や弁済状況、賃借する不動産の家賃等のために担保を設定する場合はその内容です。

 この説明をしなかったり、虚偽の説明をした場合には、保証人は保証契約を取り消すことができます。したがって、賃貸人、賃借人、保証人のいずれも、どのような内容の説明をしたのかを何らかの記録で残しておくことが望まれます。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
当事務所では、2020年4月1日から施行される改正民法(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)について、契約実務の観点からFAQを順次作成しております。

ここをクリックしていただくとご覧いただけますのでご活用ください。

民法改正により、賃貸借契約の賃借人は、保証人になろうとする者に対し、賃借人の財産状況を説明しなければならなくなると聞きましたが

 民法改正により、賃貸借契約における個人の保証人の保護が強化されましたが、賃貸借契約の賃借人が保証人になろうとする者に対し賃借人の財産状況を説明しなければならないとされるのは、一定の場合に限られます。

 まず、賃借人が事業のために賃借する場合に限られます。したがって、賃借人が自らの住居として賃借する場合は該当しません。また、保証人が個人の場合に限られます。

 このいずれにも該当する場合は、賃借人は、保証人になろうとする者に対し、賃借人の財産状況を説明しなければなりません。説明をしなかったり、虚偽の説明がなされた場合には、保証人は保証契約を取り消すことができますので注意が必要です。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
当事務所では、2020年4月1日から施行される改正民法(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)について、契約実務の観点からFAQを順次作成しております。

ここをクリックしていただくとご覧いただけますのでご活用ください。

民法改正後において、賃貸借契約に保証会社をつける場合には保証の極度額を定めなくてもいいですか

 民法改正により個人の保証人には極度額を定めなければならないこととなりましたが、これは、個人の保証人が過大な保証債務を負担することがないように限度額を定めることを義務付けたものです。したがって、賃貸借契約に保証会社をつける場合には、原則として保証の極度額を定める必要はありません。

 保証会社は、家賃滞納等があった場合には賃借人に代わって賃貸人に賃料等を支払いますが、保証会社はその金額等を賃借人に求償することになります。そして、その求償権を保全するために個人の保証人を徴求するこしがあります。そのような場合に、保証会社が個人保証人に対して求償できる限度額を定めておかなければ個人の保証人保護に欠けることとなります。

 そこで、保証会社の求償権を保全するために個人の保証人を徴求する場合には、賃貸人と保証会社との間の保証契約に極度額を定めておかなければならないとされましたので注意が必要です。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
当事務所では、2020年4月1日から施行される改正民法(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)について、契約実務の観点からFAQを順次作成しております。

ここをクリックしていただくとご覧いただけますのでご活用ください。