「裁判官の裁量には勝てぬ」が不思議な事が起こるものだ

 被告らの中に判断能力が不十分と思われる方がいて、その親族からの報告書をもとに民事訴訟法上の特別代理人を申し立てたところ、裁判所から「医師の診断書を提出せよ」という指示がなされた。こちらは原告の代理人であるが、そこまで被告の親族に協力してもらうことはできないので、当該被告の訴訟能力について調査嘱託の申立てをした、というところまでブログに書いた。

 実は、当該被告が入所している施設は、私が成年後見人となっている成年被後見人も入所している施設であるが、実は、今日、当該成年被後見人との3カ月に1回の面談をするため、その施設を訪れた。

 すると、職員の方が開口一番、「見て欲しい書類があるんですが」と青ざめた顔をして封筒を差し出した。

 それは、裁判所からの封筒で、中には、裁判所からの当該被告の訴訟能力についての調査依頼書と私が裁判所に提出した調査嘱託申立書のコピーが入っていた。

 職員は、「さっき届いたばかりで、とりあえず見てもらおうと思いまして」と私の顔をのぞき込む。

 私は、もちろん当該被告がこの施設に入所していることを親族から聞いていたので書類の内容に対して別に驚きもしなかったが、確かに、施設の方には何も言っていなかったので突然の裁判所からの封筒に驚くのも無理からぬことである。ましてや、書類の中に私の名前が出てくるわけだから、私に説明を求めるのも当然だろう。

 私が事の経緯と対処の方法を説明したところ、すぐに納得していただけたが、当該被告がたまたま私が成年後見人となっている成年被後見人も入所している施設に入所していたこと、裁判所からの調査依頼書が私の定期訪問日にドンピシャ届いことなど、あまりにもできすぎている。

 まだまだ運は使い切っていなかったなと、ちょっと嬉しい気持ちになった。