改正民法のもとで、契約の相手方が債務を履行しない場合、債権者が債務者に履行の請求をできない場合があると聞きましたが。

 まず、債務の履行が不能かどうかによってとるべき手段が変わります。債務の履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能であるときは、債権者は、その債務の履行を請求することができません(412条の2第1項)。逆に言うと、債務の履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして可能であるときは、債権者は、その債務の履行を請求することができます。

 ここで、「履行不能かどうか」の判断は、「契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして」検討することになりますので、当事者がどのような意思をもって契約したのかが重視されることになります。したがって、AとBが契約した場合と、AとCが契約した場合とでは、それぞれの契約に至る経緯や契約に至った動機、当事者の意図等が異なる場合があり、「履行不能かどうか」の判断が異なることがあるということになります。

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当事務所では、2020年4月1日から施行される改正民法(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)について、契約実務の観点からFAQを順次作成しております。

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投稿者プロフィール

古橋 清二
古橋 清二
昭和33年10月生  てんびん座 血液型A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身(途中、上池自動車学校卒業)

昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー浜松ホトニクス(東京一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる
平成2年 古橋清二司法書士事務所開設
平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立
最近、農業にはまってい る (本人は「農業」と言っているが、一般的には「家庭菜園」と呼ばれている)。 耕運機まで所有するなど、道具は一人前だが野菜のできはイマイチ。 本人は、異常気象だとか、土が悪いとか、品種が悪いなどと言って、決して自分の腕が悪いことを認めようとしない。