相談の出口

 前回、「相談」において心がけていることを書いたが、今書きかけの原稿で相談について書いてみたところがあるのでちょっとだけ紹介しておく。


 司法書士に寄せられる相談は、「相続手続がわからない」、「答弁書の書き方がわからない」などといった手続的な相談から、「トラブルを解決したい」、「どうしたらいいのかわからない」といった実体上のものまで様々である。

 これらの相談に対して司法書士が提供すべき回答は、対義語として考えれば、「相続手続がわかった」、「答弁書の書き方がわかった」、「トラブルが解決できることがわかった」、「どうしたらいいのかわかった」ということになる。したがって、こうした相談者の求める疑問に対する解決策を提示するのが相談の意義であると考えることもできるかもしれない。

 しかし、相談者は、法律や手続の学習のために相談に来ているのではない。特に、独立相談業務説に立てば、相談は、単なる事件受任の導入ではなく、相談の後に相談者が事件を委任するどうかは別として、相談者の法律問題に関する事実を抽出し、それを法的に評価し、そのうえで、問題を解決するためには何をすればいいのかという答えを提供することまで含まれると思われる。

 そして、「何をすればいいのか」については、より具体的なアドバイス、例えば、市役所に戸籍謄本を取りに行きなさい、コンビニエンスストアにいってこれとこれのコピーをとって答弁書といっしょに提出しなさい、文房具店で内容証明郵便の用紙を買いなさい、など、司法書士事務所を一歩出たら相談者がまず採るべき行動を助言することが必要である。

 以上のとおり、相談をひとつの完結した業務であると考えれば、相談者が相談終了後、何をすれば問題解決に向けて一歩踏み出すことになるのかという相談の出口を意識することが重要である。

投稿者プロフィール

古橋 清二
古橋 清二
昭和33年10月生  てんびん座 血液型A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身(途中、上池自動車学校卒業)

昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー浜松ホトニクス(東京一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる
平成2年 古橋清二司法書士事務所開設
平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立
最近、農業にはまってい る (本人は「農業」と言っているが、一般的には「家庭菜園」と呼ばれている)。 耕運機まで所有するなど、道具は一人前だが野菜のできはイマイチ。 本人は、異常気象だとか、土が悪いとか、品種が悪いなどと言って、決して自分の腕が悪いことを認めようとしない。