管轄外への本店移転に関する通達

会社の本店移転の登記手続について、次のような通達が出されています。

 本店を他の登記所の管轄区域内に移転した場合の新所在地における登記の申請において、当該登記申請書に記載すべき登記すべき事項(商業登記法第17条第4号)については、商業登記法第53条に規定する事項(ただし、「会社の成立年月日」を除く。)を除き、「別添登記事項証明書記載のとおり」と記載し、当該登記事項証明書と申請書とを契印する取扱いとすることとして差し支えない。また、この場合、登記事項証明書の記載内容を引用する方法によるほか、登記情報提供サービスの提供結果の内容を引用する方法によることとしても差し支えない。(平19.11.12、民商第2,451号民事局商事課長通知・登研719号154頁、月報62巻12号132頁)

 どういうことかと言いますと、会社の登記には管轄があり、本店所在地を管轄する法務局にその会社の登記情報が記録されています。今では全国から登記情報を瞬時に調査することができますが、その登記の記録は本店所在地を管轄する法務局にあるのです。

 ですから、会社が、それまでと異なる法務局の管轄の地に本店移転した場合には、登記の申請人は、新本店を管轄する法務局に旧法務局で登記されていた情報を提出する必要があるのです。この通達は、その際に、旧本店所在地で取得した登記事項証明書を添付するだけでもいいよ、ということを言っているのです。

 なお、平成29年7月6日付法務省民商第110号では次の取扱い認めています。
「新所在地における登記の申請は, 旧所在地を管轄する登記所を経由してしな
ければならず(商業登記法第51条第1項), 申請人の会社法人等番号は,新所在地を管轄する登記所の登記官においても明らかであるところ,同法第1 9条の3
の趣旨に鑑みると,新所在地における登記の申請書には,登記すべき事項とし
て,同法第53条に規定する事項(ただし,「会社の成立年月日」を除く)の記載があれば足り,その他の事項の記載を省略しても差し支えない」

 登記情報がオンラインを経由して日本全国どこからでも取得できる時代ですから、もう、管轄という概念を取り払ってもいいかもしれませんね。

投稿者プロフィール

古橋 清二
古橋 清二
昭和33年10月生  てんびん座 血液型A 浜松西部中、浜松西高、中央大学出身(途中、上池自動車学校卒業)

昭和56年~平成2年 浜松市内の電子機器メーカー浜松ホトニクス(東京一部上場)で株主総会実務、契約実務に携わる
平成2年 古橋清二司法書士事務所開設
平成17年 司法書士法人中央合同事務所設立
最近、農業にはまってい る (本人は「農業」と言っているが、一般的には「家庭菜園」と呼ばれている)。 耕運機まで所有するなど、道具は一人前だが野菜のできはイマイチ。 本人は、異常気象だとか、土が悪いとか、品種が悪いなどと言って、決して自分の腕が悪いことを認めようとしない。